毒親への罪悪感を抱えたまま大人になって
しまったあなたへ

90日で毒親から取り込んだ不要な罪悪感を
解放し「 親軸」から「自分軸」へシフトする
“書き出す親離(しんり)カウンセリング”

親離カウンセラーの井上秀人です。

「父という病」

以前、母という病(岡田尊司)の記事を書きましたが、今回は「父という病」についてです。

⇒母という病の記事はこちら

親との問題を抱えている、または抱えていた人には気づきの多い本になると思います。

機能不全家庭、アダルトチルドレン、家族連鎖、インナーチャイルド、毒親、共依存・・・

このあたりのキーワードに反応した方にはおすすめです。

以下、「父という病」からの抜粋です。

出だしから父親はいるのか?という強烈なメッセージから始まります。

■父親に課せられたもっとも重要な役割は、外敵から母子を守り、母親の子育てをサポートすること。

■父性と母性の役割の違いはホルモンレベルでの生物学的な仕組みの違い。これは愛着システムと呼ばれ、オキシトシン(母性)とアルギニン・バソプレシン(父性)がある。オキシトシンが心を落ち着けさせ、活動を鎮静化するのに対し、バソプレシンは活動性を高め、愛着した存在を守る為に探索や攻撃を活発にする。

■父親不在(現実的にも役割が果たせてない家庭でも)は、子供に幼く誇大な万能感をもったまま成長させやすいが、同時に傷つきやすや安心感の乏しさも抱えやすい。父親は子供を外の世界へと歩みだし、自立への一歩を踏み出す手助けをするからだ。愛着が不安定な父親では子供を社会へと導くガイド機能が果たせない。

■子供とよく関わる父親は、ストレスレベルが低く(バソプレシンの影響)、精神的にも安定し、仕事においても高いモチベーションをもち、家庭以外でも若い世代を指導しようとするという。これらは、子供との愛着関係が安定していると、対人関係や職場での適応も良好で、自分のアイデンティティの獲得や社会的成熟においても困難を抱えにくいという事なのかもしれない。

■愛着という観点からみると父子関係は愛着の安定度、不安定度によって分けられる。前者は愛情深く、絆も安定しており、行動的でたくましい父親だ。後者は攻撃的で行動力もあり男性的だが、愛情や絆の安定性に欠ける。自分の都合重視で、自由や楽しみを制限されるのを嫌う傾向にある。自分のする事は全て正しいと思っているので、邪魔をされたり、俺を怒らせた方が悪いのだという理屈で自分を正当化する。

■自己愛の強い父親は、優れたものや美しいものを好み、劣ったものや欠点を嫌う。わが子であろうと、優秀な面や成果があれば愛情を与えるが、そうでないと関心を向けない。

■かつての家父長制の父親のあり方は、強い権威を持ち緊張感があった。子供にとって危険な存在で、生きていくためには服従し逆らう時には命がけの覚悟を必要とした。子供は逆らう=家を出ていくしかなかった。社会の掟やルールを教え、自立させる役割を担っていた。

■子供、特に男の子は、父親を自分のモデルとして、師として、その一挙手一投足を関心や価値観を、意識的、無意識的に取り込んでいく。

■父親に認めてもらえない子供の悲しみは、内心尊敬していればいるほど、子供は認められたいと願う。どんなに無茶な扱いを受けようと、父親の期待を無視する事は出来ない。できる事なら父親の期待に応えたいと思う。たとえ反抗しても、心のどこかで父親を捨てきれない。反抗する一方でそんな自分はダメだと思ってしまう。

■父親に認められないと、自己否定的になると同時に自分を守ろうと自己防衛反応も起きる。反抗や非行はその1つだ。否定する事で自分のプライドを守ろうとするのだ。親の期待にわざと背く事で生きがいを見出す。また、自己否定の苦しさから逃れようとして、アルコールやギャンブルに依存することもある。

■父親に見捨てられようと、母親がその分子供をサポートできればダメージは小さい。だが、母親が動揺し続けたり、そのことを恨みがましく言い続けたり父親を非難し続けると、子供は両親に対して信頼感を失い、大人になって安定した人間関係を保てない事につながっていく。世界に対して否定的で悲観的な見方をし、誰に対しても斜に構えた態度をとるようになりやすい。

■横暴な父親に対して子供は、母親を苦しめる圧制者として敵意を持つと同時に、そんな父親にも愛されたいという思いや、母親と仲良くしてほしいという思いを捨てきれない。心のどこかで敵意や憎しみを抱けば抱くほど、自分に対して罪悪感や後ろめたさを覚え、それが過剰なまでの自己犠牲的行動となるケースもある。

■親の顔色や気分に支配された子供は、自分の気持ちや事情よりも、相手の都合を優先しやすい。

■理想の父親を手に入れられない子供は、父親像を回復させようと困っている人のためや社会のために働く事で、心のバランスを取ろうとすることが少なくない。社会的に意味のある仕事をする事で、自分の抱えた葛藤をより高く大きな視野を手に入れる事で、解消しようと試みる。

■父親の役割は、子供と母親との分離を助け、人生の方向性や社会への関与の仕方に関わり、手本となるにしろ反面教師になるにしろ、自らの身を持って、わが子にこうなるべき、あるいはこうなってはいけない人生を教える。この自己確立へ向けた段階を父親が静かに見守ってくれると、子供は必要な時だけ助けを求め、スムーズに自立するが、その一方、父親が自分の路線にこだわり、子供の願望ではなく、自分の願望を押し付けたりすると、自立のプロセスが阻害され、激しい反発や迷走につながる。

■現実の父親に対する失望感があると、真逆の父親像を求め、あるいは自らがそうした存在になろうとする。しかし、子供は同時に、現実の父親に愛されたい、同一化したいという願望を持ち、いつの間にか自分が憎んでいたはずの現実の父親に似た存在を引き寄せたり、自らがそうなっていたりする。子供はどんな父親であっても憎み切れないのだ。認められたい、愛されたいと願うのだ。

■愛着形成の段階で問題が残ると、基本的安心感が乏しく、傷つきやすく気分が不安定だったり、自己否定が強まり、相手との距離の取り方がわからなかったり依存的になったりしやすい。仕事や対外関係でも上手くいかなく不適応を生じやすい。いっそうストレスを強め、不満やフラストレーションをパートナーにぶつける事もある。理想の母親をパートナーに求めようとするので、思い通りにならないと激しい怒りを覚える。

■現実の父親に失望を味わい、理想の父親へのとらわれがある女性に起きやすいのは、パートナーに理想の父親を同一化することで代償を補おうとする。男性からの攻撃や自分を否定する態度に過度に反応し、エスカレートして関係が終わっても、また同じような状況に陥ってしまうことも珍しくない。結局、目の前の男性というよりも、自分自身が抱えた否定的な父親像と格闘している事になる。

■否定的な父親像を引きずる男性の場合も、自分の息子との間に、同じような確執を繰り広げやすい。未解決な葛藤がそこで再現し、知らず知らずのうちに、かつて自分が反抗した父親のように振る舞ってしまう。自分が味わったのと同じ思いを子供に味わわせている事に気づかず、子供を追い込んでしまう。

■父親との小さな思い出、ちょっとした関わりを思い出してみること。父親があなたのためにしてくれていたことを、父親があなたに言った言葉を、父親からあなたに注がれた眼差しを。父親に関する客観的な事実やエピソードを集めて、その人生を再構成してみるのもよいだろう。父親も1人の人間で、あなたと同じように、孤独や辛さや苦しみを抱えながら生きていたはずだ。あなたの同じように愛を求め、思い通りにならない状況の中で、もがいてきていたはずだ。

あなたと同じ年のとき、父親は何をしていただろう。あなたと同じように人生に悩んでいたかもしれない。あなたと同じように親との関係に苦しんでいたかもしれない。いや、そんなことさえ自覚できずに、ただ闇雲に生きていたかもしれない。でも、あなたと同じように生きていたという事は確かだ。父親もあなたと何ら変わらない存在なのだ。父親も愛されたいと思い、誰かに認められたいと思って生きていた人間の1人なのだ。父親も拒絶されれば傷つき、自分を守る為に、相手を傷つけてしまうこともあっただろう。父親にも弱い所があり、子供のような所だってあったかもしれない。でも、すべてが憎しみや嫌悪にしか値しない人間ではなかったことは確かだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私自身、父との長い確執を経験してきた事もあり、非常に興味深くこの本を手に取りました。

今までこういった家族、特に親との問題をテーマにした本はたくさん読んできましたが、「父親」にフォーカスして詳細を書いている本はなかなかありませんした。

2年ほど前、内観ワークのような1日たっぷり時間を取り、ひたすら自分に向き合うセミナーに行ったことを思い出しました。理由は、自分の親との関係性や思い出をあぶり出す作業があったからです。

その結果、1つの結論に至りました。

それは、父も自分の親との関係に苦しんでいたという事です。父親自身、意識できてなかったかもしれませんが、昔の話を聞いたり、父の親に対しての態度を見ていると、色々気づかされたことがありました。

悲しいことに、その家族の記憶が連鎖されていたのです。

私も子供を持つ立場に立ち、初めて分かることもありました。

私の代で負の連鎖を断ち切らねば!なんて息巻いていた時期もありましたが、、、今はそんなイヤな出来事も含めて、自分が子供たちに伝えられる事は何かな?自分だからこそ伝えられる事もあるはずと思ってます。

そして、そんな父に対してのコンプレックスが今の仕事に活きている事には不思議な縁と感謝を抱いております。

自分の人生、父との確執を通じて、自己実現へのプロセスを通過するようになっていたのかな・・なんて考える事があります。

全ては必然、必要。

そんな事に改めて気づかされました。

1人でも多くの人間関係に悩む大人、そして未来の子供たちが悲しい思いをしない為にも、私にできる事を1つ1つ続けていきます。

いつもありがとうございます。

【編集後記】
私が父へのマイナス感情を解放したリアルな「プロセス」を公開してます。
知りたい方は今すぐこちらまで⇒http://hide1010.com/mail-seminar/